ルイスポールセン PH5 - 名作ペンダントライトの魅力を徹底解説 - vanilla
ルイスポールセン(Louis Poulsen)のPH5
世界で愛される名作ランプを徹底解説
1958年にデンマークのアーキテクト、ポール・ヘニングセンによってデザインされた、ルイスポールセンのペンダントライトPH5(ピーエイチファイブ)。
インテリア雑誌やSNSで一度は見かけたことがあるのではないでしょうか。おしゃれなお部屋では必ずと言っていいほど登場する言わずと知れた名作照明PH5は、ルイスポールセンのアイコン的な存在として愛されてきました。
数あるインテリアアイテムの中でも照明は生活していく上で欠かせない存在。お部屋を照らすという機能は照明だけに与えられた役割と言えます。
ただ、ルイスポールセンのペンダントライトPH5の役割は単に部屋を照らすだけに留まりません。ポール・ヘニングセンのデザイン哲学から生まれた必然的な形とPH5が本当に照らすものとは。
デザインから半世紀以上、選ばれ続けてきたのにはちゃんと理由があります。このページでは、単なる照明器具に留まらない、"インテリアとしての照明"であるペンダントライトPH5の魅力をお伝えしていきます。
PH5の生みの親 ポール・ヘニングセン
誕生から70年近い年月が経つルイスポールセンのペンダントライトPH5。デザインをしたのは、"近代照明の父"とも称されるポール・ヘニングセン(Poul Henningsen)。彼は照明デザイン分野でのパイオニアとして活躍。ルイスポールセンとの協業によって誕生した代表作PHシリーズをはじめとして、"良質な光のための機能的デザイン"を生涯に渡り追求し続けました。
- 略歴 -
1894年: デンマーク、コペンハーゲンに生まれる。
1911年-1917年:フレデリクスベアとコペンハーゲンにあるテクニカル・スクールで建築を学ぶ。
1920年代:建築家としてのキャリアをスタート。同時期に文学や風刺の執筆も開始。
1925年:最初の照明デザインであるPHランプのプロトタイプ「パリランプ」を製作。
1926年:PHシリーズの基本となる「3枚シェード」のPHランプが誕生し、初めて商業的に製造・販売される。
1930年代:照明デザインの分野で注目を浴び、国際的な評価を得る。
1958年:PH5、PH アーティチョーク、PHスノーボールが誕生。
1967年:デンマークのコペンハーゲンで逝去。享年73歳。
ポール・ヘニングセンは晩年、デンマークデザイン協会の理事会メンバーに選出され、デンマーク美術アカデミー建築学部の教授にも任命。さらには建築家としての業績に対してデンマークデザインセンターからデザイン賞を受賞するなど、照明分野以外での活躍が評価されています。
また、インテリア・建築業界での功績だけでなく、文学や風刺においてもその才能を発揮し、幅広い分野で卓越した成果を上げました。そのデザイン哲学や照明デザインの革新性は、彼が亡くなった後もデザイン界において永続的な影響を与え続けています。
不朽の名作。PH5の誕生
上記で説明した通り、幅広い分野で活躍したポール・ヘニングセン。中でも照明分野においてはパイオニアとして地位を確立し、長年続いたルイスポールセンとの協業によりペンダントライト「PH5」が誕生しました。("PH"はPoul・Henningsenの頭文字、"5"はメインシェードの直径50cmが由来)1958年のデザインから半世紀以上経った今なお、近代照明の最高傑作の一つとして評価されています。
今でこそ不朽の名作として称されるルイスポールセンのPH5ですが、そのデザインはポール・ヘニングセンが美しい光を追求してたどり着いた「3枚シェードシステム」と呼ばれる考え方がルーツになっています。
3枚シェードシステムとは
対数螺旋に基づいたカーブをシェードの形・構造に取り入れることで、光源となる電球から均一に配光されるようになり、よりシェードの曲面全体にわたってなだらかな配光を得ることに成功しました。シェード内面が反射する拡散光と合わさって、グレア(眩しさ)と影のコントロールを可能にしています。
ルーツとなったPHランプではこの3枚シェード構造により電球のフィラメントを隠すことで、グレアを抑えることに成功。PH5ではさらに食卓向けの灯りに適したランプとして改良を加え今の形が誕生しました。その後も幅広いインテリアシーンに合わせられるよう、時代の変化に合わせて豊富なバリエーションが登場。このページの後半でもご紹介しています。
PH5の秘密。必然的デザインと構造
3枚シェードシステムを元にデザインが完成されたペンダントライトPH5。ここからは、その特徴的なデザインを持つ「シェードの構造」と、シェードによって生み出される「光のコントロール」について詳しくご紹介していきます。
- シェードの構造 -
ペンダントライトPH5は大きく分けて、トップシェードとメインシェードの2つのシェードで構成され、お届け時はこの2つのシェードの組立作業が必要になります。固定する際は、トップシェードの引っ掻きに、メインシェードのボタンのような爪部分3ヶ所を合わせ(図中の赤丸)、時計回りに回していきます。シェードが動かなくなるまで回し入れてください。(目安:図中の青丸)
メインシェードはさらに上から順に、「アッパーシェード(一番大きいシェード)」、「リフレクター」、「ミドルシェード」、「ボトムシェード」にわけられ、3本の細いフレームにより連結。また、ボトムシェードの内部にはフロストガラスのボトムカバーが取り付けられています。
カラーグラデーションシリーズでは、トップシェードからボトムシェードに下がるに連れて、色の濃さが薄くなっていきます。これはボトムシェードを一番薄い色味にすることで、見た時の"重さ"を軽減しています。
電球はトップシェード内にあるソケットに取り付け、まるで花の蕾のようにシェードが電球を包みこむ構造になっています。このペンダントライトPH5が持つ電球を隠すような構造によって、電球が直接視界に入らずに済み、眩しさのないグレアフリーの光が生み出されています。
ただ、単に電球を隠してしまうと眩しさだけでなく明るさも損なわれます。そこでテーブル面がより明るくなるように十分な光を届ける役割を果たすのが特徴的なカーブを持つシェードです。ペンダントライトPH5のアイコン的なシルエットを形作るこのカーブは「対数螺旋」と呼ばれる、巻貝のカーブなど自然界で多く見られる曲線で、必然的に生まれたまさに自然美とも言えます。
電球からの光がどの角度で当たっても同じ角度で反射するこのカーブにより、PH5は効率的に下方向へ光を届けることができます。電球の眩しさを隠しつつ明るさは確保するという、一見すると相反する機能性ですが、これがPH5のシェードが持つ最大の特徴と言えます。
- 光のコントロール -
上記の「シェードの構造」でご紹介した、電球を隠しながらも十分な明るさを作るペンダントライトPH5のシェードの秘密。
ここからはそのシェードが実際にどのように光をコントロールしているのかを、シェードがない電球剥き出しの状態と、シェードを取り付けた状態で、実際に照度計を使って数値を測定しながら比較していきます。
今回はカリモクニュースタンダードのキャストールテーブル150を使用します。テーブルのサイズは150×75cm、高さが74cmです。PH5の高さはテーブル天板から60cmの位置に吊るしています。
まず初めに電球がむき出しの状態。いわゆる裸電球の状態ですが、PH5では標準でLED電球(白熱球100W相当)が付属。とても強い光で、説明不要の眩しい状態です。この眩しさをグレアと呼びます。このとき電球の真下で照度計の数値は約370ルクスでした。
次にシェードを取り付けた状態。当然ながら電球の眩しさはありませんが、注目したいのが天板の明るさです。シェードによって光が下方向に集められ、天板全体が明るく照らされているのがわかります。同じように明るさをPH5中心の真下で測定すると、約610ルクス。実はシェードをつけた方が明るいんです。さらにはシェードをつけた状態でも、PH5のシェードの隙間から漏れる光と天板からの反射の光でダイニングエリアを際立たせているのがわかります。
電球むき出しの状態の方が眩しさがあるとはいえ明るいと思う方が多いはず。でも実際はシェードが光をコントロールすることで、必要な場所へ十分な明るさを作り出しています。
同じように測定していくとテーブル中心から25cm外側の位置(PH5のシェード端真下付近)で約410ルクス、テーブル中心から35cm外側の位置(4人で座った時の座席の中心付近)で約300ルクスという結果に。いかがでしょうか。実際に数値で見ることにより、"シェードの役割"と"眩しさと明るさの違い"がわかりました。
PH5の全カラーバリエーション紹介
ルイスポールセンのPH5は2024年現在で全21色が選べます。定番のクラシック・ホワイトだけでなく、暮らしに彩りを添えるカラーシリーズやモダンなモノクロームカラー、時の変化を楽しめるメタル素材など種類は豊富です。(タブの切替と左右スライドでご覧いただけます)。
PH5カラーシリーズ(塗装仕上げ)
PH5モノクロームシリーズ
PH5メタルシリーズ
PH5の人気カラー徹底比較
上記でご紹介したルイスポールセンのペンダントライトPH5全21色。選べる種類が多いのは嬉しいですが、どれを選べば良いかわからない。同じホワイトでも何が違うの?そんなお問い合わせも少なくはありません。
そこでvanillaでは特に人気のカラー5種類を徹底比較してみましたので、ぜひご覧ください。比較コンテンツで登場する5種類はすぐにお届けできる在庫もご用意しております。
PH5を購入する前に知りたいQ&A
インテリアの中でも照明は必要な明るさや取り付ける位置・置く場所など、専門的な知識が求められる場合が多いです。vanillaではルイスポールセンの正規販売店として、多くのお問い合わせにお答えしております。こちらではよくあるご質問をピックアップしました。
vanillaに在庫がある商品は、最短翌営業日の出荷が可能です。vanillaでは一部のPH5の在庫をご用意しておりますが、全てコードの長さは標準仕様となります。お取り寄せ商品の場合、ルイスポールセンジャパンで在庫がある場合は、一週間程度でご用意が可能です。ペンダントライトについてはコード加工をご希望の場合は2週間ほどお時間をいただきます。
国内在庫が欠品をしている場合は、デンマークからの入荷を待つようになりますが、タイミングによって5〜6ヶ月のお時間を頂戴しております。受注生産品は都度確認をさせていただきます。
ペンダントライトPH5シリーズはトップシェードとメインシェードが分かれていますので、簡易的な組立作業が必要になります。工具は不要で女性でも作業が可能です。詳しくは動画でご紹介しております。
vanillaではルイスポールセン正規販売店として、メーカー対応によるPH5含むペンダントライトのコード加工を承っております。標準の長さのカット・延長加工が可能です。ご注文の際は、商品ページにてご希望の長さをご指定の上お手続きをお願い致します。
ご注文後お使いいただく中でペンダントライトのコード加工が必要になった場合は、お届け後の加工も承っております。その場合、送料はお客様ご負担となりますので、詳細はお問い合わせください。
また、コードの長さでお悩みの方は、工具や加工不要でペンダントライトのコード長さを調整できる方法をご紹介しておりますので、ぜひご参考ください。
PH5とPH5ミニはシェードの大きさ(50cmと30cm)や、使う電球のサイズの他にもいくつか違いがあります。カタログなどを見ただけではわからない、PH5とPH5ミニの違いを別ページにて詳しくご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
ルイスポールセンではPH5を1灯で吊るす場合は、横幅100cm〜150cmのテーブルサイズを推奨としていますが、お客様のお使い頂く環境で変わります。vanillaのブログで当店がおすすめするテーブルのサイズをご紹介しています。一般的なダイニングテーブルとペンダントライトの関係性にも触れていますので、ぜひご覧ください。
ルイスポールセン製品にはメーカーで推奨する電球が付属されますので、お届け後すぐにお使いいただくことが可能です。球切れをした場合は同じ電球をホームセンターなどでお買い求めいただくか、vanillaまでお問い合わせください。
PH5をvanillaで買うメリット
メーカー正規販売店
vanillaはルイスポールセンの正規販売店です。取扱う商品は全て正規品となりますので安心してお買い求めください。オフィシャルパートナーショップとしてメーカーと密な連携の元、サービスを提供致します。
充実のアフターサービス
vanillaが取り扱うルイスポールセン製品には全てメーカー保証が付帯します。ご注文時のコード加工だけでなく、購入後の修理対応やパーツのお取り寄せも可能です。
人気アイテムは在庫あり
ルイスポールセンの商品はデンマークで生産され日本にやってきます。タイミングによって数ヶ月待ちになる場合もございますが、vanillaでは人気商品の在庫をご用意。全数検品済みで即日出荷が可能です。
vanilla限定の購入特典
不定期で開催されるメーカーキャンペーンはもちろん、vanilla独自の購入特典をご用意しております。詳しくは各商品ページでご紹介しております。(予告なく終了となる場合がございます)