ソファは「一度置き場所を決めてしまうと面倒で移動させることはほとんど無い」と思われることが多いですが、実は家族構成の変化や引越し、来客時、模様替え等の時にソファを移動するなどタイミングは意外と多かったりします。
マルニ60フレームチェアとは|マルニ60正規販売店 vanilla
マルニ60 オークフレームチェアとは?
マルニ60の象徴的な商品と言っても過言ではない「オークフレームチェア」。
上質な素材を厳選し、熟練の職人達によって生み出される全てにこだわられたソファのルーツはどこにあり、時と共にどのようにアップグレードされていったか。
ここではオークフレームチェアにフォーカスを当ててご紹介したいと思います。
「No.79」の誕生
1960年に発売となったNo.79応接セット。のちにオークフレームと呼ばれるマルニ60を代表するアームチェア、ソファの誕生です。
戦後になって欧米の合理的な考え方、生活様式が取り入れられる中、日本の住宅スペースはまだ十分といえる広さを確保できていませんでした。
そんな中販売された、当時の日本では珍しいノックダウン式のアームチェアは収納、持ち運びの容易さとセパレート型の機能性を合わせ持ちながら、快適な座り心地を実現した商品として人気を博しました。
洋式化の途上にある日本の狭い住空間にも調和する商品だったといえます。
愛称が「みやじま」に
発売開始から10年後の1970年にNo.79は「みやじま」という愛称に変わり、その後1977年まで生産されました。
肘から足にかけてのパーツが鳥居に見えることから、マルニ木工の創業地である広島県宮島にある厳島神社になぞらえて「みやじま」という名前になったと言われています。
前述の通り、日本の狭い住環境の中、どんなレイアウトでも全体のバランスを崩さない機能性を伴ったリビングセットとして「みやじま」は多くの人々に愛されたのです。
30年の時を経てオークフレームチェアに
そしてみやじまの生産が終了した1977年からちょうど30年後の2007年、シンプルで品質が良く普遍的と言えるアイテムを集めたプロジェクト、60VISION(ロクマルヴィジョン)に参加。
そこで改めてブランドとして誕生したのがマルニ60(マルニロクマル)から当時のデザインをそのままにDNAを受け継ぎ誕生したのが、「オークフレームチェア」というわけです。
復刻にあたっては、座面の内部構造に改良を加え座り心地をより高めながら、置クッションは当時の定番色の他にモダンなテキスタイルを選定。
ファッションデザイナー皆川明氏が代表を務めるファッションブランド「ミナ ペルホネン」とコラボするなど、当時のままの普遍的なデザインを活かしつつ、現代生活に向けての提案を行いました。
No.79の発売開始から60年を超える今もなお、新しい技術を盛り込みつつ、進化をつづけるフレームチェア。
マルニ60、マルニ木工を代表する家具となるのではないでしょうか。
マルニ60の木材へのこだわり
マルニ60アイテムに使用される木材は高級なオーク(ナラ材)、ウォールナット材が使用されています。
なかでもオーク材は樹齢80~100年ほどの木が使用されていますが、木は成長するにしたがって虫穴、割れ、節など木の生きてきた証が見受けられる様になります。
しかしマルニ木工ではこういった不揃いな表情も木が生きてきた証であり、ありのままの姿として、これらの特性を生かしたものづくりを行なっています。
もちろんこういった部分も含めて製品化できるのはマルニ木工の高い技術があってこそ。
こうした木材への徹底したこだわりから、マルニ60アイテムは素材感や美しい木目を楽しむことができるのです。
インテリアとしてのソファへのこだわり
部屋のインテリアとしてソファは非常に重要な役割を果たします。いわば部屋の「顔」とも言える部分。
正面からの見た目はもちろん、サイド、後ろ姿もインテリアの「顔」として美しくなければなりません。
「オークフレームチェア」はこのインテリアとしてのソファの顔を意識して作られており、正面やサイドはもちろんのこと後ろ姿もオークフレームの格子が美しく、壁際ではなく空間の間仕切りの様な感覚でダイニングとリビングの間にレイアウトすることでこだわりの空間を作ることも出来ます。
組立式のソファでもある「オークフレームチェア」ですが、一見すると組立の為に使われているビスが一切見受けられないようになっていて、ここにもマルニ60のこだわりが感じられます。
座面以外のパーツはネジではなく凹凸型の金具を組み合わせて組み立てられる様になっているので、組立や分解が容易な点もポイント。
インテリアとしてのソファをしっかりと意識したこだわりの作りとも言えます
美しいアームの仕上げ
オークフレームチェアの特徴とも言えるアームの仕上げ。
このアームにはマルニ60のこだわりが随所に施されており、なかでもこのアームトップは木材をただ削りだして仕上げるのではなく、アームトップ用に準備された木材に曲げ木加工を施し、仕上げの削りや、やすりがけを施しても美しい木目を保てる様に作られています。
そして木のつなぎ目等は職人が実際に肌で触れながら確認し、ひっかかりやアームを握った際の心地よさなどが意識された仕上げが行われています。
またオーク特有の温かみのある素材感を活かすために、職人の手によって艶やテカりを抑えたウレタン塗装で仕上げられており、丈夫で安心して使うことが出来ます。
最高の座り心地のレシピ
マルニ60のソファ、フレームチェアは座面と背もたれで異なる2種類のクッションを使用しています。
背クッションはふんわりとやわらかなで、寄りかかるとホテルの枕のような「バフッ」っと包み込まれるような感覚を味わえます。
それもそのはず。ロール状の人工綿で包み込まれたフェザー(水鳥の背側に生えている、中でも軸が付いている羽毛を指します)は、軸が強く湾曲していることで弾力性に富んでおり、家具のクッションや枕といった耐久性や復元力が重要視されるものに使用されているのです。
座面クッションの中身は、綿とフェザーだけではありません。 その下に公共の乗り物(新幹線など)でも使用されている硬質ウレタンと中質ウレタンの4層構造を用い、クッションの型くずれを抑えつつ、粘りのある座り心地を実現しています。
さらにフレームも通常のソファとは異なり座面下には「ゴムベルト」を使用。これによってクッションの弾力にベルトの弾力が加わり、まるで「お尻が宙に浮いている」ような感覚を実現しています。
拡張できるソファ
今だからこそ伝えたい魅力
必ずソファの座り心地に魅了される
〜 NON VERSUS代表 田中夫妻が語る魅力とは 〜
「このソファのクッションには羽毛が使われています。羽毛は押しつぶした時の復元力が非常に高く、さらに座った時に程よく沈み込むので底付き感を感じさせません。」
高価だと思われる方も少なくありません。確かにカリモク60のソファなどと比較しても高額であることは間違いありません。
ですが、無垢のオーク材(ナラ材)を使っていますし、ナラは育つまでに100年の年月がかかります。
これだけの高級素材を使うからには座り心地にも妥協は似合わないですし、やがて変化していく木部やシートの感触などが楽しめます。まさに育てる家具と言えます。
このマルニ60 オークフレームチェアを選ばれる方は、気取らず、厳選して本当の意味でいいものだけを選ばれているようなライフスタイルを持つ。そんな40代のご夫婦が比較的多く見られます。購入までなんども足を運ばれ「いろいろ見たけどやっぱりこれね!」家族のソファというよりは私たちのソファ。こんな思いで購入されています。
ブラックのビニールレザーはラインナップの中でも比較的安価で、手入れのしやすさからも一番人気のクッションになります。
最近我が家でも犬を飼うことになり、ペットとインテリアをどう共存しようかといつも悩んでいましたが、思いのほか犬って学習してくれていて、家具のダメージはほとんどありません。家族がくつろぐ場所は犬もわかっているのですね!
このソファのフレームは2016年に生産国が中国になりました。昨今では原材料である木材が特に価格が高騰しており、値上げも検討されたそうですが、できるだけたくさんの方に使ってもらいたいという思いから中国の工場で生産することを決定したそうです。
でもご安心ください。生産国は変われどマルニ60の精神はそのままに、厳選された協力工場にて生産しています。価格はそのままに今まで通りのクオリティを維持するため、定期的な検品や徹底した技術指導などを実施し、日本と同じ品質基準で生産を続けています。
豊富な張り地
フレームチェアに限らず、マルニ60製品は張り地は2022年時点で20種類を超える選択肢が存在します。様々なインテリアスタイルに合わせてコーディネートが可能こともマルニ60の魅力のひとつとなっているのです。
※張り地ごとの素材や特徴までご覧になりたい場合は、下記ページをご覧ください。
進化するフレームチェア
2019年にはハイバックモデルが登場
オークフレームチェアにさらなる快適性を求めたハイバックモデルが追加となったのは2019年のことでした。
こぶし1個分、数字にすると10cmだけ高くなった背もたれは、数字以上の快適さを私たちにもたらすことになりました。
ハイバックチェアの一覧はこちら≫
2021年にはヘッドレストが追加
おうち時間という言葉がもはや普通に感じられるほど私たちの生活に馴染んできた昨今。
元からリラックスができるマルニ60フレームチェアに、さらにリラックスをもたらす専用のヘッドレストが追加となりました。ソファに座りながら映画を見たり、本を読んだりとゆったりとした時間を過ごされたい方におすすめのアイテムとなっています。
マルニ60+ ヘッドレストはこちら≫