フリッツ・ハンセン(FRITZ HANSEN)名作セブンチェアの魅力を徹底解説 | インテリアショップvanilla
世界で一番売れた椅子
フリッツ・ハンセンのセブンチェアの魅力
1955年、デンマークの巨匠アルネ・ヤコブセンによりデザインされ、フリッツ・ハンセン社が製造を手がけた「セブンチェア」。ミニマルな北欧デザインの象徴として名高く、世界中で一番売れた椅子として知られています。
今ではデザインと実用性を兼ね備えた「永く愛せる椅子」として、自宅やオフィス、ホテル、カフェなど、あらゆる空間に溶け込み続けています。
極めてシンプルで装飾的な要素は一切ないのに、なぜか目が留まり心に残るセブンチェア。北欧らしい静けさと、建築家としてのアルネ・ヤコブセンの視点が織り込まれたこの椅子は、暮らしに必要な「佇まいの美しさ」を教えてくれるようです。
このページでは、デザイナーであるアルネ・ヤコブセンの背景や、セブンチェアの構造美、豊富なカラーバリエーションなど、その魅力と選ばれる理由をご紹介します。
ヤコブセンが生んだ、世界で選ばれ続ける椅子
20世紀を代表する北欧デザイナーであり建築家のアルネ・ヤコブセン。建築だけでなく、家具・照明・カトラリーに至るまで、彼の手がけたデザインはすべてが「美しく機能的であること」を追求しています。そんな彼の代表作のひとつがセブンチェアです。
アルネ・ヤコブセン(1902-1971)
デンマーク建築のモダニスト
アルネ・ヤコブセン(Arne Jacobsen)は、コペンハーゲンで生まれ育ちました。1927年にデンマーク王立芸術アカデミーをアーキテクトとして卒業、2年間コペンハーゲン市のシティー・アーキテクトとして仕事に携わりました。自身の設計事務所を開設後は、デンマーク建築のモダニストとして世界的に名前が広まり、デンマーク、ドイツ、英国に数多くの建物を残しています。アントチェアやセブンチェア、スワンチェアなど名作と呼ばれるデザインを世に送り出している他、照明デザインなども手掛けています。
1955年に誕生したセブンチェアは、ヤコブセンの建築家としての視点を活かし、軽くて丈夫な成型合板を使って、背と座が一体となる美しい曲線を実現しました。
シンプルながら機能的なデザイン哲学も、この椅子の魅力の一つです。
無駄をそぎ落としつつ身体に自然にフィットする形は、どんな空間にも溶け込みつつ存在感を放ちます。北欧らしい落ち着いた美しさと実用性を兼ね備えたセブンチェアは、世界の美術館や著名な建築にも採用され、デザインの頂点といえる存在。ヤコブセンの思いと北欧の美学が息づく、永く愛され続ける名作椅子と言えるでしょう。
美しいフォルムに隠されたセブンチェアの秘密
フリッツ・ハンセンのアイコン的な存在と言えるセブンチェアの魅力は、その見た目の美しさだけにとどまりません。セブンチェアの最大の特徴は「成型合板」という革新的な技術と、アルネ・ヤコブセンが生み出した三次元の曲面構造にあります。
「一枚の合板から椅子をつくる」という挑戦から始まり、1952年のアリンコチェアを原点にさらに洗練された形で昇華されたセブンチェア。アリンコからセブンへと受け継がれた成型合板による"機能美"をご紹介します。
- 9mmの厚みが作る強度 -
フリッツ・ハンセンのセブンチェアで採用されている成型合板の厚みは約9mm。一見すると華奢にも見える厚みですが、その見た目以上の強度を誇ります。
セブンチェアの成型合板では薄くスライスした7枚の芯材と2枚の仕上げ材、2枚のインド綿が使われています。そして、これらを重ね合わせてプレスして成型しますが、そこにセブンチェアならではの工夫が隠されています。
7枚の芯材はロータリーカットと呼ばれる丸太を回転させながら薄く切り出す製材方法を採用し、木取りの効率の良さとコストを抑える工夫がされています。
そして単に重ねるだけでなく、一枚ずつ木目の方向を90度互い違いに重ね合せ仕上げ材との間にインド綿を挟むことで、その耐久性を高めています。
表面になる仕上げ材2枚はスライスカットで美しい木目の選定。職人の手仕事により滑らかな表面に仕上げることでセブンチェアの美しい佇まいが完成します。
わずか1cmにも満たない厚みには、アルネ・ヤコブセンのこだわりとフリッツ・ハンセンの技術が凝縮されています。
- 身体を包む三次元の曲面 -
上記でご紹介したセブンチェアの成型合板の工夫ですが、この成型合板を三次元の曲面に仕上げることでセブンチェアの快適な座り心地が実現しています。
アントチェアも三次元曲面ですが、セブンチェアではその技術が進歩したことによって、より身体にフィットする曲面を作り出すことに成功しました。
人間の背中も実は肩から肩にかけてカーブをしています。その身体を優しく支える背もたれをカーブにすることで、クッションなどがなくとも痛さのない背あたりの良さを生み出しています。
背もたれと同じようにカーブを描く座面はお尻から太ももを程よくホールドしてくれるので、座った時の安心感があります。さらにセブンチェアの美しいくびれは窮屈さを感じさせずに視界の抜け感がインテリアとして絵になります。
くびれのある腰周りから膝裏にかけても絶妙な曲面を描くセブンチェア。着座時の骨盤付近のフィット感は良い姿勢を保ちやすくしてくれるので、長時間座っていても疲れにくいのがポイントです。
背もたれから座面、さらにはくびれ周りの細かいディテールによってセブンチェアは身体を立体的に柔らかく包み込んでくれます。
さらに成型合板の特徴として寄りかかった時の「しなり」も大事なポイント。作業の時に身を深く預けたり、ちょっと身体を捻って寄りかかっても芯のあるしなりでちゃんと受け止めてくれます。
正規品だからこその耐久性
世界で初めて背座一体の三次元曲面を実現したアリンコチェアから技術を進化させ誕生したセブンチェア。その成型合板の耐久性は、椅子をひっくり返して腰の部分に乗って荷重を加えても割れないほど。
見た目だけを真似したリプロダクト品にはない、正規品だからこその耐久性がフリッツ・ハンセンのセブンチェアの強みです。
見た目だけではないセブンチェアの実用性
上記でフリッツ・ハンセンのセブンチェア最大の特徴である成型合板が生み出す強度や美しさをご紹介しましたが、セブンチェアの実用性も気になるところ。ここからは普段の生活で使っていく中で、椅子という道具として活躍するセブンチェアの機能面をご紹介していきます。
- 重さについて -
セブンチェアを初めて持った人が、よく口にするのが「え、軽い!」というひと言。 片手でひょいっと持てるのに、そのつくりはとてもしっかり。だから、掃除のときも、来客で椅子を移動させるときも、なんでもない「毎日のちょっと」が楽になります。持つときはくびれ部分を掴むとスムーズに持ち上げられます。
軽いと、不思議と気持ちも動きやすくなります。ちょっと模様替えしようかな、とか、窓際に椅子を移して読書してみようかな、とか。セブンチェアは暮らしにそっと寄り添って、「使いやすさって、こういうことかも」と思わせてくれる存在です。
見た目は洗練されているのに、気取らず、毎日にちゃんとフィットする。そんなやさしい軽やかさが、セブンチェアの魅力のひとつです。
- グライドについて -
セブンチェアでは金属製のベースが使われていますが、そのベースの先端にはグライドと呼ばれるキャップのパーツが取り付けられています。お届け時には標準仕様としてすでに取り付けられており、開梱してすぐにお座りいただけます。
標準仕様のグライドでも十分な機能がありますが、より静かに、よりやさしく使いたい方には「フェルトグライド」をオプションとしてご用意しております。
ホームセンターなどで売られているフェルトシートは使っているうちに剥がれてしまうことも多々あります。また、椅子用のフェルトキャップなども売られていますが、セブンチェアの美しさを楽しむなら、フェルトグライドがおすすめです。
- スタッキングについて -
セブンチェアが一般的なご家庭にとどまらず店舗や施設などでも多く選ばれる理由のひとつが、スタッキングできる機能性です。使わないときに重ねて収納できることはスペースの有効活用につながりますし、大勢が集まる行事などでも必要に応じて出して使うことができます。
また、セブンチェアは板座の仕様で最大12脚、パディング仕様で最大4脚をスタッキングすることができますが、重ねた際に座面が傷つかないよう、裏面には専用樹脂パーツが取り付けられています。
これは見えない部分にまで配慮が行き届いた、フリッツ・ハンセンらしいこだわり。デザイン性だけでなく、使い続けることを見据えた実用性の高さも感じられます。(長時間重ねたままにした場合、下側の座面にスタッキングの跡が残る場合がございますのでご注意ください。)
- 保証について -
フリッツ・ハンセンでは全ての製品に保証サービスを提供しています。セブンチェアの場合、標準で5年間の保証期間が設けられています。さらに、セブンチェアのご購入後に「マイフリッツ・ハンセン」にご登録いただいた方には、最大10年になる延長保証を提供しています。
そして、この保証サービスは単なる制度ではなく、フリッツ・ハンセンの裏付けされた品質と、時を超えて愛されてきた実績が作る信頼の証でもあります。年月とともに味わいを増していくセブンチェアは、これからの時間をともに過ごすにふさわしい一脚です。
"まずは抑えたい"
セブンチェアのベニヤシリーズ全種
セブンチェアの美しさに隠された秘密をご紹介しましたが、セブンチェアのもう一つの魅力がその豊富なバリエーションです。
オーソドックスなモデルはベニヤタイプですが、ベニヤタイプは大きく分けて、「カラードアッシュ」「ラッカー」「クリアラッカー」の3種類の仕上げに分けることができます。ここからは定番とも言えるセブンチェアのベニヤタイプの全てをご紹介します。
セブンチェアのカラーシリーズ
カラードアッシュとラッカーの違い
セブンチェアのカラードアッシュとラッカーはそれぞれ同じカラー名が採用されていますが、同じ色でも木目が見えるかどうかの違いがあります。その木目は個体差があるのはもちろんのこと、同じカラー名でも木目の有無によって色味には若干の差が出る場合がございます。
セブンチェアカラードアッシュ仕上げ
カラードアッシュ仕上げはアッシュ材に塗装を施した仕様で、木目がわかる仕上げです。豊富なカラーを楽しみながらも木が持つ温もりを感じさせ、お部屋の調和が取りやすい人気の仕様です。(2025年時点で全16色)
セブンチェアラッカー仕上げ
ラッカー仕上げはカラードアッシュ仕上げに対して、厚みのある塗装を施し木目が見えない艶のある仕上げです。木目の凹凸もない滑らかな表面でセブンチェアを"色"で楽しめる使用です。(2025年時点で全16色※通常ラインナップ)
セブンチェアクリアラッカー仕上げ
クリアラッカー仕上げは木が持つ本来の表情を存分に楽しめる仕上げです。オイルではなくラッカーなので普段のお手入れもしやすく、一つとして同じものはない美しい木目は経年変化も楽しめます。(2025年時点で全6種)
"ワンランク上を選ぶなら"
セブンチェアパディングシリーズ
セブンチェアはベニヤタイプの他にパディングシリーズもお選びいただけます。パディングシリーズはベニヤタイプにウレタンを張り込むことで座り心地がよく、選べるファブリックやレザーはその数なんと数百種類。自分だけのセブンチェアを見つけることができます。
また、パディングシリーズは前面だけにウレタンを張った「フロントパディング」とシェル全体を肉厚なウレタンで張った「フルパディング」の2タイプがあります。
フロントパディング
シェルの前面だけにクッションを張った仕様。背面はシェルがそのまま見えるので板座の仕様と同じような感覚で取り入れやすく、それでいて板座にはない座り心地の良さ。
シェルのカラーとファブリック・レザーの色を変えてあげることで、自分だけのコンビネーションが楽しめます。
フルパディング
シェルの前面から背面まで全てをクッションで張り込んだ仕様。フロントパディングよりも肉厚な仕上げで、どんな座り方をしても身体を包み込んでくれます。
ファブリックやレザーが作る表情で高級感を感じさせながら、ラウンジチェアのような極上の座り心地が楽しめます。
セブンチェアのベースの形
セブンチェアには4本脚のアームレス仕様が人気ですが、他にもアーム付きやキャスタータイプ、スツールなどベースの種類も豊富です。仕事用や飲食店などの店舗など幅広いシーンに合わせやすいのが魅力です。
ベースカラー
様々なシーンで合わせやすいベースですが、そのカラーも種類があります。2025年時点の通常ラインナップとしては「クローム」「ブラウンブロンズ」「ブラック」「シルバーグレー」「ウォームグラファイト」「ホワイト」の6種類からお選びいただけます。
この中でもホワイトに関しては、シェルのカラーがホワイト(カラードアッシュまたはラッカー)の場合にのみお選びいただけます。
クローム
ブラウンブロンズ
ブラック
シルバーグレー
ウォームグラファイト
ホワイト
"すぐ欲しい"に応えるクイックシップモデル
ここまでフリッツ・ハンセンのセブンチェアの魅力をお伝えしてきましたが、いざ買おうとなった時に気になるのがその納期です。
フリッツ・ハンセンの製品は海外で製造されるので、ご注文から4〜6ヶ月のお時間をいただくことも珍しくはありませんが、一部の人気モデルはクイックシップモデルとして日本国内で在庫をご用意しております。合わせやすい定番のホワイト系はもちろんパディング系もご用意しておりますので、まずはこちらのクイックシップモデルをご覧ください。
セブンチェア/カラードアッシュ
セブンチェア/クリアラッカー
セブンチェア/フロントパディング(カラードアッシュ)
セブンチェア/フルパディング(ファブリック)
セブンチェア/フルパディング(レザー)
セブンチェア/子供用(カラードアッシュ)
セブンチェア以外にもアリンコチェアやエッグチェア、人気のダイニングテーブルなどもクイックシップモデルとして短納期でご用意可能ですので、納期をお急ぎの方はぜひご覧ください。
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