
乳白ガラス(ホワイト)
ラジオハウスペンダントの中でも定番のホワイト。デザインが誕生した当時も採用されていた乳白ガラスは合わせる場所を選ばず、変わる事のない乳白の美しさと真鍮のエイジングの対比が存分に楽しめます。

1940年代にデンマーク国営放送局"ラジオハウス"のために生まれた、ルイスポールセンのVL45ラジオハウスペンダント。丸でも四角とも言えないやわらかい丸みを帯びたフォルムは、一見するととてもシンプルです。
しかしその内側には、吹きガラスがもたらすやわらかな光の質感や真鍮という素材の華やかさが作る、空間と調和するための思想が息づいています。

今ではVL45ラジオハウスはダイニングやリビングだけでなく、暮らしのあらゆる場所で活躍しています。飾り立てるのではなく、光そのものの美しさを暮らしの中に溶け込ませる、そんな北欧らしい価値観が選ばれ続ける理由の一つと言えるでしょう。
このページでは、そんなVL45ラジオハウスの歴史やデザインの背景、そして時代を超えて愛される魅力をご紹介します。

1945年にコペンハーゲンに建てられた「ラジオハウス」は、当時まだテレビ文化がなかったデンマークでは文化の発信地でした。その建物の内部をやわらかく照らすために、ルイスポールセンとヴィルヘルム・ラウリッツェンの協業によって「VL45ラジオハウス ペンダント」が誕生しました。

当時は他にもVL38シリーズやVLリングクラウンシリーズも誕生。吹きガラスが生み出す優しい光は、音楽やニュースを届ける空間に落ち着きと安心感を与え、大きなホールだけでなく廊下や小部屋でも活躍し、建築の一部として欠かせない存在だったといわれています。
ルイスポールセン(Louis Poulsen)VL38シリーズ
ルイスポールセン(Louis Poulsen)VLリングクラウンシリーズ

VLリングクラウンシリーズは、2025年にテーブルランプとフロアランプが登場。この追加により、シリーズとして、ペンダント・ウォール・テーブル・フロアがラインナップとして揃い、より幅広いシーンで取り入れやすくなりました。
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VL45ラジオハウスペンダントは、その後生産が一時終了となりましたが2016年に待望の復刻。復刻当初は乳白ガラスのΦ250とΦ370の2サイズ展開でしたが、その後Φ175の追加やカラーモデルも登場し今に至ります。

VL45ラジオハウスペンダントのデザインを手がけたヴィルヘルム・ラウリッツェンは、デンマーク近代建築を牽引した建築家であり、空間そのものの質を左右する"光"に深い関心を寄せていました。
彼の名言「美学なくして人生はない」は、形の美しさだけでなく、建築に流れる空気や人が感じる心地よさまで含んだ、広い意味での美学を指しています。
・ホコリを払い取りやすいこと
・底に塵がたまらないこと
・ダメージを受けてもすぐに壊れないこと
・電球交換が簡単であること
・調光しなくても眩しさを感じにくいこと
・下方向に光を集めつつ、空間全体も柔らかく照らせること
・外観が清楚であること

機能性と詩的な雰囲気が共存する彼の建築に対する姿勢は、照明デザインにも自然と受け継がれました。VL45ラジオハウスペンダントは、ラウリッツェンが建築家として培った光へのこだわりを細部まで反映し、空間に調和しながらも暮らしに温度を感じさせる照明といえます。
ヴィルヘルム・ラウリッツェン(1894-1984)
ヴィルヘルム・ラウリッツェン(Vilhelm Lauritzen)は、デンマーク建築史のなかで最も重要な建築家のひとりで、デンマーク機能主義建築の先駆者です。数多くの建築を手がけ、特にラジオハウスとコペンハーゲン空港のターミナル39はデンマークの指定建築物ともなり、ヨーロッパの建築における近代主義の象徴と言われています。生涯を通じ、建築は応用芸術だという考えを実践しましたが、彼は芸術(art)と応用(applied)に同等の比重を与えました。「美学なくして生活はない」というのも、彼の信念でした。

VL45ラジオハウスペンダントのシェードは正円でも四角でもない形。日本の提灯を思わせる形は親しみやすさを感じさせます。正円よりも柔らかい雰囲気が特徴で、華美なデザインはありませんが、毎日目にするたびに愛着が湧いていく不思議な魅力があります。
電球をすっぽりと包むシェードのデザインですが、シェードの下部には開口部が設けられています。周囲にはシェードを透過した柔らかい光を、真下には電球の直接光を落とすことで手元にも明るさをしっかりと届けてくれます。


開口部と言っても、真下付近から覗き込まない限りは直接電球が見えることはなく、柔らかな光を感じることが出来ます。また、開口部から電球交換が容易にできるところもポイントです。
そんな丸でもない四角でもないVL45ラジオハウスペンダントのシェードは、一つずつ職人の手によって作られる吹きガラスでできていおり、柔らかくぽってりとした愛らしいフォルムに仕上がっています。また単一のガラスではなく層にすることで、独特の奥行きと艶感が楽しめる仕上がりとなっています。


シェードのガラスの層はカラーによって違いがあり、定番の乳白ガラス(ホワイト)は三層構造、その他のペール・イエロー、アンバー、ペール・ローズは四層構造の仕上げとなっています。
美しいガラスシェードにクラシックな装いをプラスするのが真鍮の金具パーツ。真鍮は無塗装の仕上げのため、手や空気に触れることでくすんだ色合いへと変化していきます。時と共にアンティークのように味わい深く育っていくのも、真鍮の楽しみのひとつと言えます。

※写真右の経年変化をしているステムの根元の高さが違いますが、こちらは旧仕様となります。現在は写真左の仕様となります。


経年変化によって主張しすぎず上品な印象のツヤを抑えた質感に変化する真鍮は、無垢材やヴィンテージ家具とも好相性です。VL45ラジオハウスペンダントが持つシンプルなフォルムと、この日々変化する真鍮の小さな表情が愛され続ける理由です。
VL45ラジオハウスペンダントはハンドメイドのため、取り付けた際に若干曲がって見える場合があります。その場合は真鍮のカバーをずらし、ソケットの位置を動かすことで調整が可能です。


ルイスポールセンのVL45ラジオハウスペンダントシリーズは、Φ175・Φ250・Φ370の3サイズからお選びいただけます。ダイニングテーブルの上で活躍するのはもちろんですが、キッチンのカウンター上に多灯吊りをしたり、お部屋の端に低く吊るしたり。あるいはリビングで高く吊るしてシーリングライトのような使い方もできる万能なペンダントランプです。

サイズによって付属する電球も異なりますが、多灯吊りをして明るすぎる場合は付属の電球のW数以下に落として使うのもおすすめです。また、Φ370は乳白ガラスのみお選びいただけます。
撮影協力:wakakicoffee様
撮影協力:ルイスポールセン東京ショールーム
小ぶりなΦ175はキッチンカウンターなど奥行きが浅い場所での多灯吊りがおすすめ。ベッドサイドやレストルームなど、コンパクトな空間の演出にもおすすめです。


真ん中のサイズΦ250はラジオハウスシリーズの中でも一番人気のサイズ。テーブルの幅に合わせて、1灯使いから多灯吊りもこなすことができる万能サイズです。
多灯吊りをご検討中の方には、特集ページをご用意しておりますので、ぜひご覧ください。


一番大きいΦ370。ペンダントなのでダイニングのイメージがありますが、その存在感を活かして高い位置に吊るし、シーリングライトのような使い方をすることもできます。
サイズ別の明るさ比較です。ダイニングテーブルはKNS(カリモクニュースタンダードのキャストールテーブル150をセレクト、天板サイズは横幅150cm/奥行75cmです。VL45ラジオハウスペンダントの高さは全てテーブル天板から60cmの高さに揃えています。
基本的に下方向だけでなくお部屋全体に光が広がります。電球のサイズが小さくW数も小さいΦ175は他の2サイズと比べると光が弱いのがわかります。Φ250とΦ370は同じ電球を使用していますが、電球の位置と開口部の位置関係により下方向の照らす面積はわずかにΦ250の方が範囲が広いのがわかります。
撮影協力:wakakicoffee様
彩りがある暮らしにまとまりをもたらす安定のホワイト。控えめな主張で、カフェなどの店舗で数が必要になる場合にも選びやすいです。

いつもの暮らしにほんのり色味を加えるペール・イエロー。オークなどのライト系のインテリアと相性がよく、心地よいあたたかさが魅力です。

シリーズの中でもとりわけ存在感を放つのがアンバー。アンティークな雰囲気にも合わせやすく、琥珀色はグリーンとの相性も抜群です。

花を生けるような気持ちで、お部屋に華やかさが欲しい時に選びたいのがペール・ローズ。ピンク系ですが、可愛すぎず落ち着いた色味で幅広く取り入れやすいです。
昼間の自然光で見るシェードはそれぞれが持つ個性でしっかりと存在感を放ちます。暗くなってから点灯すると色によっては近しい色味になるので、単体でみると何色かわかりにくい場合がありますが、並べて比較してみると少しずつ違いがあるのがわかります。