KNSのコンセプト、デザイナーの理念が詰まったプロダクト
このカラーウッドテーブルはデザインをしたショルテン&バーイングスの中ではアイコン的な存在だそうで、日本のブランドとものづくりをするならば日本独特のモノをフィーチャーしたいという思いから日本の「桶」や「樽」をモチーフにしたそうです。
細かい木材を継ぎ合わせて使う・というカリモクニュースタンダードのコンセプトにもマッチしていて、ブランドコンセプト、デザイナーの理念のどちらも色濃く反映されたプロダクトであることが分かります。
独自技術が描くグラフィック
カラーウッドテーブルのシリーズでは「リアルコート」と呼ばれる、木工技術・グラフィック塗装技術・伝統的な家具塗装技術の3つの技術が融合して生まれた、カリモク独自の新たな塗装技術が施されています。
ただ塗り潰してしまうのではなく、色の下に木目が透けて見える独特の質感。それでいてグラフィックは磨耗によって薄れたりはしにくく、さらに水をこぼしても吸い込んで滲んだりといったこともありません。
まずお目にかかれない15角形
プロダクトの現場では多角形を作る際は奇数を避けるのがセオリーですが、どうしても15角のテーブルを作りたいというデザイナーに応えるべく、カリモクの木加工技術をこれでもかと詰め込んだのがカラーウッド リビングテーブルのシリーズです。
樽形状の脚のデザインを実現し強度を保つために伝統木工技術「雇い実継ぎ」を採用し、ホゾの凹凸の部分で組み付けて接着面を大きくすることで高い強度を確保。脚部は上に向かうほどに直径を小さくするために、細い木材パーツひとつひとつを台形状にして精密な角度調整が施されています。
脚部にはアクセントモチーフのグラフィックラインが入っていますが、モチーフとなった桶の紐締め同様に、本体にカラーリングをするのではなく意図する質感や風合い、色合いを表現するために布テープが採用されています。
テープの幅、厚み分を削り込んで埋め込み、細部へのこだわりが表現されています。
デザイナー
ショルテン&バーイングス
ステファン・ショルテン(1972年オランダ生まれ)とキャロル・バーイングス(1973年オランダ生まれ)の二人。2000年にデザインスタジオを設立。細やかなリサーチにより、モノの背後に潜む文化的、芸術的コンテクストを探りながら、鮮やかな色彩と現代的な幾何学文様を巧みに使い、完成度の高いデザインを生み出している。 最近ではDutch Design Awardの二度目の受賞を果たすほか、Wallpaper* Design Award、ELLE Decoration International Design Award for Young Designer Talent 2011などの各賞に選ばれている。