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未来の名作
現在、世界には数多くの名作チェアが存在します。
しかし名作と呼ばれるには時間がかかるもの。デザイナー本人が良いものを生み出す・と思って作っていたのは間違いないと思いますが、当時使っていた人たちが「これは後世で名作と呼ばれる!」と思って使っていたかどうかは定かでありません。
何が言いたいかと言うと、今私たちが何気なく使っているものが、後の世では「名作」として認知されるのではないか?ということです。
このTチェアも発売開始から10年経ち、今やカリモク60ブランドのダイニングチェアとして第一線に立つモデルになりました。
まだ私たちが気付いていないだけで、これからカリモク60の名作と呼ばれる椅子になっていくのかもしれない。そんな可能性を感じる椅子だと思います。
人に、日常に寄り添うカタチ
同じブランドのカリモク60+にはダイニングチェア、アームレスダイニングチェアが存在しますが、そちらは背もたれにもクッションが使われていて、このTチェアとは形が全く異なります。
それじゃ板の背もたれは背中が痛くなるんじゃない?なんて思われるかもしれませんが、体に沿って大きくカーブした背もれは絶妙な高さ、角度で取り付けられており、姿勢を崩しても快適に体を預けることができるんです。
見た目通り、いやそれ以上に優しい椅子が、このTチェアというわけです。
(一緒に写るテーブルはマルニ60+ オークフレームラウンドテーブル100)
日本で使われることを考えられたサイズ
※写真はスタンダードブラック
海外のデザイナーズチェアは座面の高いものが多く、サイズの合っていないダイニングチェアに長時間座っていると、太もものあたりが痛くなることがあります。
Tチェアは一般的な海外ブランドのダイニングチェアと比べるとやや低めの座面高をしており、しっかりと踵が床に付けられて小柄な方でも安定して座ることができます。
一般的にダイニングチェアの座面からダイニングテーブルの天板の上面までを差尺(さじゃく)と呼び、これが27~30cmだと快適に食事が取れると言われています。
そしてカリモク60のダイニングテーブルの天板の高さは70cm。それに対しTチェアの座面高は42.5cmで差尺が27.5cm、まさにベストな高さになるように設計されています。
海外のダイニングテーブルでは高さが74cmあるものも見られますが、小柄な日本人には文字通り背伸びをしない、これぐらいの高さがちょうど良いのです。
快適な座り心地のヒミツ
真ん中をくりぬいた木枠の座板には、布バネと呼ばれる伸縮性のあるポリエステル製の布地が張られ、底付き感の無いクッション性を実現しています。
※写真は同じ構造のアームレスダイニングチェア。通常裏面には不織布が張られており、写真のように中材が見えることはございません。
張り地のすぐ下にはスラブウレタンが入っており、最初の触り心地を柔らかに。その下のチップウレタンは適度な弾力を持たせてあるので、読書やティータイムなど、長時間座ることがあっても疲れにくい構造となっています。
これからのスタンダード
※写真はスタンダードブラック
これまでアームレスダイニングチェア2と呼ばれた椅子は、デザイナーである高峯さんのイニシャルから新たにTチェアと名前を変えました。
製作当時、高峯さんはカリモク60+(ロクマルプラス)※から販売されたDテーブルをとても魅力的に感じ、このテーブルに合わせる食堂椅子があったらいいな・というところから製作を始めたそうです。
ロングライフデザインにふさわしい椅子に育ってくれたらいいなという思いが、発売から10年が経ち、ようやくそのコンセプトを体現できたかな・と語られていますが、まさにこれからのカリモク60のスタンダードになりつつあるダイニングチェアだと言える椅子だと思います。
※カリモク60をベースに、先人デザイナーのDNAを受け継ぎ、現代生活にマッチする機能性、サイズ性を踏まえて新しくデザインされたブランド。
細部の拡大
【※写真はTチェア モケットグリーンを使用】
アームレスダイニングチェアに比べ、やや低めの位置に取り付けられた背もたれ。今の位置より少しでも高くしてしまうと体型・体格によっては肩甲骨が当たってしまうため、そうならないギリギリの絶妙な高さに設定されています。
(写真は身長171cmの男性スタッフが座ったところです。)
ダイニングで寛ぐ時は多くの人が姿勢を崩すはず。
それを考慮し、斜めに腰掛けて肘を掛けることができるくらい、背もたれは幅広に設計されています。
身長171cmの男性スタッフが座ったところ。
背もたれにつけられた緩やかな傾斜が背中に気持ち良くフィットします。座面高は海外のデザイナーズチェアと比べると低く、小柄な人の多い日本人向けに作られていることがわかります。
アームレスダイニングチェアとの比較(正面)。 座面と背もたれの曲線が目を引きます。
アームレスダイニングチェアとの比較(横)。
脚間寸法がより短くなっており、足元のスペースに余裕が出ます。
座面の比較。
イス自体のサイズはほとんど変わりませんが、座面は広くなっています。
カリモク60+のプレート。 他のカリモク60商品もそうですが、プレートはすべて職人さんの手打ちで取り付けられています。
背もたれは実際は3カ所で固定されていますが、外から見えるのは1カ所だけになっています。 小さな場所ですが、デザイナーさんのこだわりが見てとれますね。
アームレスダイニングチェアと同様に座板の中心部はくり抜かれており、おしりが当たる部分には底付きがないクッション性があります。
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