イームズ プライウッドモビール
合板のモビールはチャールズ&レイ・イームズが合板成形技術を改良する目的で行った一連の実験に関連して、1940年代初めに作られました。レイのアートワークやグラフィックを強く彷彿とさせるこれらのデザインは、ロサンゼルスのイームズのアパートの天井から吊り下げられていました。
2つの抽象的で有機的なプライウッドで構成され、遊び回っているかのよう動きが魅力です。
モビールはたくさん存在していますが、イームズらしい個性的なシルエットがなんとも言えません。
モビールとは
アレクサンダー・カルダーによる動く彫刻
モビールとは、あるバランスの取れた天秤状のアートが、さらに天秤として重なり、吊り下げている構造になっているものと言えます。
わずかな空気の流れによって様々な部分が独立して揺れたり回ったりしますが、全体はいつでもバランスを保っている状態に作られています。
1932年頃、彫刻家アレクサンダー・カルダーが創造した現代美術と言われています。
「Mobile」という言葉はフランス語からきた呼び名です。イギリス発音では「モバイル」と言い、アメリカ発音ではフランス風に「モビール」と言われています。
モビールと言えばデンマークのフレンステッド・モビールというメーカーが有名ですが、このモビールはイームズがプライウッド成形の研究の過程で生み出されたものとなり、vitra製となります。
Details
モデルAタイプ。イームズオフィスとvitraのロゴが刻印されています。
モデルBタイプ。同じくイームズオフィスとvitraのロゴが刻印されています。
引っ掛ける部分もプライウッドでできており、糸の長さを調整できる仕様になっています。
キャンプファイヤーを見続けるように
炎の揺らぎってなんだかとても落ち着くというか、いつまでも見ていられるという感じ、ありませんか?キャンプファイヤーもたのしく囲むのもいいですが、静かにただただ火を見ているだけでも楽しい。そんな感覚。モビールもそれに近い存在だと思います。
ゆっくりと、シンプルな作りなのに複雑に動いているように見えるモビールはまるでいきもののようです。イームズが作り出したこのフォルムもなんらかの生物を想像させますね。空気のわずかな動きは普段なかなか感じとれませんが、モビールはそれを見せてくれるような存在です。
インテリアの中で動きのあるものは少ないので、キャッチにもなり癒しにもなります。不思議そうにいつまでも見続ける小さな子供も目に浮かびますね。モビールはかわいいデザインが多いですが、イームズのモビールは抽象的なアートのようなので男性にもとても人気です。