USMハラーのすべて/USMハラーとは|vanilla

USM(ユーエスエム)とは

USMハラー(ユーエスエムハラー)とは

USMは、1885年にスイスのミュンジンゲンで設立した老舗家具メーカーです。創業当時は錠前業から始まったUSMですが、今では業務用や家庭用のモジュラー式の家具を製造する世界的なメーカーとして知られています。
1965年に誕生した「USMハラー」は、その汎用性から時代を超え様々なシーンで使われているモジュラー家具の最高峰。ニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久コレクションにも収蔵され、発表から半世紀以上経った今でも色褪せないモダンファニチャーとして愛されています。 こちらのページではUSMの歴史や、USMハラーを選ぶメリット、USMの魅力をご紹介します。


USMハラーブランドロゴ

USMのロゴマークにはUSMハラーのモジュールの起点となるボールジョイントがデザインされています。また、vanillaはUSMハラーの正規取扱店として、メーカーであるUSMと共に充実したアフターサービスを提供させていただきます。

USMオフィシャルサイト


USMハラーアイテム一覧



100年続くファミリーカンパニー

USMのルーツ

今から100年以上前、1885年にスイスのベルン近郊にある村、ミュンジンゲンでUSMは設立されました。今では世界的なリーディングカンパニーのUSMですが、設立当初は家族経営で小さな会社でした。当時は金属加工や錠前業で生計を立てていましたが、1900年代に入ると窓用金物、蝶形丁番などの建築金物や精密加工された鋼板の生産にも携わるように。この時代に培った技術力が後のUSMハラー誕生へ繋がっていきます。

USMハラー本社工場があるミュンジンゲン

社名の「USM」は創設者であるウルリッヒ・シェアラー(Ulrich Schärer)のイニシャルと、創業当時から変わらず本社工場があるミュンジンゲン(Münsingen)の頭文字が由来となっています。


USMハラーの誕生とルーツ

創業から金属加工や建築金物の製造を続けていたUSMは、戦後の経済需要も相まってミッドセンチュリー期と呼ばれる1940〜60年頃に大きく成長を遂げることになります。 この時代はUSMだけでなく世界各国で様々な産業が大きく成長を遂げた時代。USMと同じスイスではVitra(ヴィトラ)がヴァーナー・パントンと協業を始め、アメリカではイームズのプライウッドチェアやFRPのイームズチェアの人気が広まっていきました。日本ではカリモク家具が輸出用の家具製造を開始し、カリモク60ブランドのルーツが生まれた頃です。そしてUSMが現在の世界的なモジュラー家具のメーカーになるきっかけが訪れます。

USMハラーの当時

1961年に創業者の孫にあたるポール・シェアラー(Paul Schärer)がUSMに入社。家族経営の3世代目として経営に携わるようになります。大学で工学を学んでいたポールですが、建築やデザインの分野に傾倒していたと言われています。近代建築の巨匠と称される、ミース・ファン・デル・ローエやル・コルビュジエを崇拝していたポールは、USMの本社工場を今までにないフレキシブルで近代的なパビリオンとして生まれ変わらせる構想を計画します。 この計画の依頼を受けたのがフリッツ・ハラー(Fritz Haller)でした。フリッツ・ハラーはスイス出身の建築家で、当時スイスで最も影響があった建築家の一人と言われています。ハラーはUSMのために、必要に応じて建物の広さを拡大・縮小できるフレキシブルなモジュラー構造の建築システムを設計します。

USMハラーフリッツハラーフリッツ・ハラー

フリッツ・ハラーは、ソロトゥルン派と呼ばれる建築家グループのメンバーであり、建築理論家でもありました。彼を一躍有名にしたのは、一般の住宅やオフィスのための「MINI」、より大きな建物のための「MIDI」、産業建築物のための「MAXI」という、必要に応じて建物の広さを拡大・縮小できる3つの鉄骨モジュラー建築システムの考案でした。

ハラーが提唱する建築原理に基づいて設計をされたUSMの新社屋は、鉄骨造でありながら、柔軟性・拡張性に優れた革新的なものでした。 鉄骨やガラス、スチールパネルで作り上げられていく最新の社屋でしたが、その空間にあうインテリアをポールは見つけられませんでした。そこで、ハラーに新社屋にあう家具の開発を持ちかけます。

そうして、ハラーの建築の構造をそのまま家具の設計に落とし込み、モジュラー式の家具が誕生しました。ボール状の特徴的なコネクターを使うモジュラー式の家具は「USMハラー」と名付けられ、1965年には特許を取得します。

USMポール・シェアラーの自邸

その後ポールは自邸の設計もハラーに依頼。USMの本社工場からほど近い場所に鉄骨とガラスでポールの自邸は建てられました。1969年に完成をしたポールの自邸は半世紀経った今見ても新しいモダニズム建築として、当時の姿のまま残されています。

種類豊富な短納期仕様

USMハラーでは比較的短納期でお届けできるクイックシップモデルもお選びいただけます。まずは定番から買い揃えたい方はぜひご覧になってみてください。


小さな点から始まるUSMの構造

USMハラーの構造

モジュラー(モジュール)式のUSMハラーですが、モジュール(module)という言葉は”小さな単位”を意味する「modulus」が語源と言われています。様々な組合せが楽しめるUSMハラーは、その構造を分解していくと、「ボールコネクター」、「スチールチューブ」、「メタルパネル」の3つのパーツに大きく分けることができます。まさにこれらのパーツがUSMハラーを構成する最小単位(モジュール)です。
モジュラー建築がルーツになっているUSMハラーの構造は、図面を描くように、小さな点と点を線で結び、それが立体として完成されていきます。そしてシンプルな構造だからこそ優れた拡張性で幅広いインテリアシーンで大活躍。小さな点から始まるUSMの可能性は大きく広がっていきます。
USMハラーの優れた拡張性については別ページでもご紹介しています。

USMの拡張性


今見ても新しい60年代のオフィス

USMハラーで作る当時のオフィス

現在ではホームユースで使われることが当たり前になったUSMハラーですが、当初は自社のオフィス用として作られたことが始まりです。1969年にロスチャイルド銀行の新オフィス向けに初の大量注文を受けたことがきっかけとなり、商業販売への道を開くことになりましたが、それから約半世紀が経ちオフィスシーンは大きく変化してきました。
机の上一つ取っても手を動かして書く作業は減り、PCは時代と共にコンパクトなものへ、座る椅子も人間工学の研究と共に進化。今では働く場所ですら多様になった時代ですが、その多様化の時代の中でも、USMは形を変えながらその変わらない機能性で選ばれ続けてきました。
USMの企業理念に「形態は機能に従う」という言葉がありますが、この言葉を半世紀以上にわたって体現し続けてきたUSMハラーは、これからも時代にあった形で私たちの暮らしを豊かなものにしてくれるでしょう。


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