イームズチェア オリジナルとレプリカ徹底比較 | インテリアショップvanilla

イームズチェア オリジナルとレプリカ徹底比較

イームズチェア オリジナルとレプリカ徹底比較

お客様から「イームズシェルチェアのオリジナルとレプリカ(ジェネリック、リプロダクト)の違いを教えてほしい」というご質問をたくさんいただきます。
そこで、お客さまのご要望にお応えするため当店でも実際にレプリカを購入し、徹底的に比較してみました。
これを見ればあなたはイームズチェアの目利きの達人になるかもしれません。

※見やすいブラックで検証してみました。
※レプリカ、ジェネリック、リプロダクトは同義として説明します。

価格

もちろん、レプリカが圧倒的に安いです。この検証時は7,000円程度で購入しましたが、年々安い物が登場しています。
これがレプリカの最大の特徴でしょう。
なぜこの価格で同じものが作れるのかは、このページを最後まで読んでいただければ理解いただけると思います。


匂い

レプリカには開梱時に塗装の匂いがありました。どうやら成型後の塗装仕上げのようです。
慣れてくれば気になりませんが、新しいうちは若干ペンキの匂いがします。
よく見るとエッジの部分に下地が見える小さいすりキズのようなものもありました。
ちなみにオリジナルは塗装ではなく、着色された樹脂を成型しているので、そもそも塗装剥がれは起きません。

塗装のはがれ


座り心地

正直、体で感じられる大きな違いはありませんでした。


シェルのサイズ

サイズの違い

幅の違い
幅の違い

レプリカの方が若干高さがありました。シェルの最大幅も8ミリほどレプリカが大きいようです。座り心地に影響はないと思います。


色合い・精度

色合い

離れて見るとレプリカの方が引き締まったブラックという印象です。
これは、オリジナルはマット、レプリカはツヤ有りの仕上げのせいかと思います。
イームズチェアの一番の魅力は曲線の美しさです。
そのシェルのシルエットですが、写真の赤丸で囲んだ部分。
オリジナルは照明によってできる陰でさえも美しい曲線を描いています。これは製造行程での絶妙な精度の高さによるものです。レプリカの方は、美しい曲線を描ききれず、歪んで見えています。これは整形の技術までは真似できない証拠になります。

シェルのシルエット

この部分にもレプリカにはいびつな曲線が見られます。


シェル表面

サイズの違い

オリジナル

レプリカには光沢があり、オリジナルはつや消しのマットな仕上げです。
触れた時の音を擬音語で表すなら、レプリカは「かさかさ」、オリジナルは「さらさら」といった感じです。


シェルの硬さ

レプリカの音

オリジナルの音

レプリカはガラス窓を叩いているような『カンカン』とした硬い音。おそらく素材の違いでしょう。
オリジナルは『コンコン』と、柔軟性のある音がします。これで見分けている人がいたらかなり通です。業界人かもしれません。街でイームズチェアを見かけたら軽く叩いてみてください。


シェルの素材

上の硬さにも関わってきますが、おそらく一番の違いだと思います。
このレプリカはABS樹脂、オリジナルはポリプロピレン(PP)です。手で持ち上げたときは重さの違いを体感できませんでした。
どちらもすぐれた素材ですが、イスとしては柔軟性のあるポリプロピレンの方が向いていると思います。ただ、いつかレプリカにもポリプロピレン製が出てくる可能性があります。


座面うら側の刻印

レプリカの座面うらの刻印

オリジナルの座面うらの刻印

レプリカはMADE IN CHAINAとだけ表記。
オリジナルは販売元のハーマンミラーとデザイナー名『Charles & Ray Eames』が表記。 最も簡単に両者を区別できる部分です。


ヴィトラからハーマンミラーヴィトラからハーマンミラー

新しいオリジナルの座面うらの刻印

2010年9月より、日本国内で流通するイームズチェアの製造がヴィトラ社からハーマンミラー社に変更となりました。
これに伴い、裏面のエンボスロゴが「Vitra」から「HermanMiller」へと新しく変わりました。

イームズのプロダクトはイームズオフィスが製造や販売の権利を管理しています。
現状、欧米やアジアではハーマンミラーが製造と販売を行っており、ヨーロッパ圏ではヴィトラが担当しています。2010年まではヴィトラが製造と販売を行い、ハーマンミラーはヴィトラで製造したものを販売していましたが、2010年9月からハーマンミラーも製造することになりました。
両メーカーともイームズオフィスから正式に権利を得ている正規品となりますが、2010年以降、日本で流通しているオリジナルはハーマンミラー社製となります。


ベースのデザイン

ベースのデザイン

ベースの交わる位置に差があります。 オリジナルは高く、レプリカは低いです。
明らかにプロポーションが異なっています。個人的には最も気になる部分でした。
離れてみるとオリジナルの方が脚長に見えます。


シェルとベースの接合部

レプリカの接合部

オリジナルの接合部

レプリカは径が小さく、目立つ突起です。ボルトは普通の六角レンチで、簡単に取り外しできるようです。
オリジナルはジョイント部の径が大きくなだらかな突起です。ボルトはトルクスという星形の特殊なもので、専用の工具がないとはずせません。


ベースの溶接部分

レプリカの溶接部分の仕上げ

オリジナルの溶接部分の仕上げ

オリジナルは細部まで鏡面仕上げです。
レプリカは全体的に白っぽく、仕上げ不足な印象。また、溶接位置にバラツキが見られます。


グライズ

グライズ

見た目はほぼ同じです。
たまたまかもしれませんが、レプリカには亀裂が入っていました。座った時にできたのかもしれません。

グライズ

2010年、オリジナルのグライズは、2パーツタイプに仕様変更となりました。
簡単には外れない仕様となり、輸送時の紛失などを軽減したと思われます。外観を極力変更せず現代に合わせて今もなお進化していることがわかります。逆に、これも不具合が生じればまた変更になるかもしれません。

グライズ

2015年、グライズの仕様が再び1パーツに変更となりました。

●ちなみに当店では、グライズの裏面(床との設置面)に市販のフェルトを貼って使うお客様が多いことから、イームズチェア専用のグライズキャップを作りました。粘着テープで貼る市販のフェルトよりもはるかに長持ちするものです。
グライズキャップ


まとめ

最近ではレプリカではなく、リプロダクトと呼ばれることの方が多いようですね。
ここまで読んでいただいた方は、刻印を見なくても区別できるようになっているはずです。もし街でイームズチェアを見かけて気になったら、これらを意識して見てみてください。
でも、一番の違いは購入後の自分自身の気持ちだと思います。それはセルフブランディングにも影響を与えます。
たった1つのリプロダクトが他に所有しているモノにどんな影響を与えるでしょう。イームズに興味を持った子供はその存在をどう思うでしょう。
節約できた金額と、手に入れたもの、どちらが自分にとって価値があるかを考えるのは大切なことだと思います。
もし、本物のサービス・上質な素材・確かな技術など、こだわりを持って商品やサービスの提供されている方が、オリジナルとリプロダクトで迷っているならば、ぜひ、オリジナルを選んでいただきたいと思います。
とはいえ、予算的な制限があるのが現実です。そんな時はリプロダクトではなく、予算に見合う他のオリジナル製品を選んだ方が良いと思います。その方が本業に余計な印象を与えないはずです。
一目でリプロダクトだとわかる人はそう多くないと思いますが、意識して見る方は結構いらっしゃいます。大胆にも、裏面の刻印を確認する人も。インスタやツイッターで話題になるのはどちらでしょう。
リプロダクトが増えたことでイームズの知名度も上がりました。楽天市場やYahooショッピングではリプロダクトで飽和状態。モールの中ではオリジナルの方が見つけにくいくらいです。
vanillaにはイームズ好きなスタッフがたくさんおります。安心と価値が欲しい方はお気軽にお問い合わせください。

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