アレキサンダー・ジラードがサンタフェにある自邸に飾るために自身でデザインを手がけたメタル ウォールレリーフ「SUN」圧倒的な存在感はインテリアの中でも一際目を引くデザインです。
1907年 アメリカ合衆国ニューヨーク州生まれ
ヨーロッパに移住後に建築を学び1949年ににはデトロイト美術館にて「For Modern Living」を監修。
また、当時チャールズ・イームズとの交流も始まる。デザインしていたラジオキャビネットが偶然にもそっくりであったことや、ジラードもプライウッドチェアを手がけていたことから親交が深まった。
その後1952年には親交のあったチャールズ・イームズとジョージ・ネルソンによってハーマンミラーに招かれ、テキスタイル部門デザインディレクターに就任しオフィスやレストラン公共スペースなどのあらゆるデザインを手がけた。
1959年にはニューヨークのレストラン、ラフォンダ・デル・ソロにて内装やグラフィック、食器、スタッフのユニフォームなど全てをジラード自身がデザインを手がけたことで名声が高まり、1960年代半ばにはブラニフ航空のためにロゴからラウンジファニチャーまでなんと17,543点ものアイテムのデザインを手がけた。
ハーマンミラーでテキスタイル部門を率い表現の自由を得たジラードが生み出したテキスタイルデザインは、配色、ウォールペーパー、印刷物、ファニチャー、オブジェクトなど、300点を超え、いまなおそのデザインは数多くの名デザイナーに影響を与えています。
顔に当たる部分は塗装ではなくくりぬかれているので、照明やスポットライトなどを当てると後ろの壁に顔が浮かび上がります。普段は目に触れることはありませんが、こうした抜けのデザインにもアレキサンダー・ジラードの遊び心を感じます。
本来表面は美しい鏡面仕上げですが、素材が真鍮無垢を使っているので人が触れたりすることで時とともに酸化が進み変色してきます。これも汚れではなく素材にあえて真鍮を選び、時の経過すらも含めてデザインとして楽しんだジラードの心を感じるポイントです。