タブレ ソルベイ | インテリアショップvanilla

vitra タブレボワ ピエール・ポランデスクと

◯と△

無垢材で作られたパーツが組み合わさった姿が、どことなく積み木のようにも見える「タブレボワ(旧タブレソルベイ)」。
このスツールは大まかに分けると丸と三角形の二つの要素で成り立っていますが、これは合理的で無駄のない構造をさせた結果から辿りついた形と言われています。デザイナーの「美しいものは必要な機能から生まれる」という理念を体現した美しいシルエットで、これが今から80年近くも前に設計されていたと考えると、驚くばかりです。
無駄のないデザインを突き詰めた形のお手本とも呼べる家具なのかもしれません。

vitra タブレボワ スタンダードチェアと

プルーヴェ印の三角形

フランスのデザイナーであり建築家、そしてエンジニアでもあったジャン・プルーヴェが「スタンダード チェア」をデザインしたのは1934年のこと。椅子の脚にかかる重さは一定ではないという事実に基づいて、前脚よりも後脚を頑丈にデザインされたこの椅子は、今では世界中にコレクターがいるほどの名作家具となりました。
そしてそのプルーヴェが1941年にスタンダードチェアの技術を用いて生み出したスツールがこのタブレボワ。
スタンダードチェア同様に構造三角形の脚がプルーヴェデザインであることを物語ると同時に、構造に重きをおく彼の建築や家具デザインにまで貫かれる哲学が感じられます。


vitra タブレボワ グラン レポ横の再度テーブルとして

主役にも脇役にも

スツールというと座面がフラットなもの、削りが入っているもの、張り地があるものと様々ですが、フラットなものに関しては「スツール」という範囲を超える家具だと個人的には思っています。座るのはもちろん、テーブルとして使うというもう一つの使い道があることで、活躍する舞台が家の中でさらに広がるのですから。
座るという行為にはメインで応え、何かを載せるという行為には文字通り持ち上げる脇役として。 なんだかマルチに活躍する俳優のようにも思えてきますね。


コーディネート例

タブレボワをBKFチェア横の再度テーブルとして

タブレボワの座面直径は35cm、高さは45cmとサイドテーブルとしても使いやすいサイズ感。無垢材の塊とも言える重厚感もまた魅力の一つです。

vitra社製のジャン・プルーヴェアイテム

奥に見えるテーブルは同じくジャンプルーヴェデザインのゲリドンテーブル。タブレボワとほぼ同じシルエットながらもこちらは3本脚で、単純なサイズアップではないところがうかがえます。


ジャン・プルーヴェ

ジャン・プルーヴェ

ジャン・プルーヴェは、ル・コルビュジエら同時代を生きた芸術家たちの賞賛を集め、ノーマン・フォスターやレンゾ・ピアノら戦後の芸術家にも影響を与えたデザイナー/建築家。1901年、フランス・パリに生まれたジャン・プルーヴェは、アール・ヌーヴォの一派であるナンシー派を率いたヴィクトール・プルーヴェを父に持ち、1916年金工職人のエミール・ロベール元での修行を経て1923年に独立、そのキャリアをスタート。
30歳で工房アトリエ・ジャン・プルーヴェを設立、やがて家具デザインから建築デザインまで活躍の場を広げる。
工業化を推し進めたジャン・プルーヴェの工房は、またたく間に300人もの工員を抱える工場へと拡大していきますが、作家はデザインだけでなく生産や施工のプロセスも重視し、常に製造現場に寄り添ったものづくりをしました。

バリエーション

vitra タブレボワのバリエーション(左からダークドオーク、ナチュラルオーク、アメリカンウォールナット)

ウッドのバリエーションはダークオーク、ナチュラルオーク、アメリカンウォールナットの3種(写真左から)。