ハーマンミラー(Hermanmiller)ネルソンベンチシリーズ | インテリアショップvanilla
居心地の良い直線
どこから見ても曲線が一つもない真っ直ぐなベンチ。どうせ座るなら優しい曲面で座りたいもの。
誰もがそう思うはずですが、このベンチはまるで座る人を遠ざけるように、直線直線の繰り返し。実はそれもそのはず、デザイナーのジョージ・ネルソンは長居させないためにデザインをしたのです。
でもこの居心地の良さに、虜になる人が続出。ネルソンの意に反してたくさんの人に受け入れられ、今となればネルソンの名前を冠した名作ベンチに。手にすれば自分の暮らしにも溶け込んでくれるでしょう。
デザイナーすら気づけなかった、ネルソンプラットフォームベンチの魅力に再注目です。
ベンチを超える存在
直線的なラインが美しく、空気と光が通る格子組の天板とブラック塗装の木のベースが特徴のこのベンチは、外観はなめらかで軽やかですが見た目とは反して、腰を下ろしても、書物などを載せても、十分に耐えられる強度を備えていることからベンチとしてはもちろん、ローテーブルやTVボードとして、さまざまな役割を果たします。
1946年に発表されてから現在に至るまで変わらず、多機能で普遍的な製品の一つとして紹介されています。
「ネルソンプラットフォームベンチ」最初のバージョンは、ニューヨークにあるネルソンオフィス向けに作ったもので、来客を細長い板の並んだベンチに座らせ、早々に帰らせようという考えでした。しかし、ジョージ・ネルソンのデザインコンセプトの数少ない失敗例となりました。来客はこのベンチを快適に感じて腰を上げなかったのです。1946年にはハーマンミラー・コレクションに加えられたネルソンの最初の作品となります。
デザイナー
George Nelson(ジョージ・ネルソン)
1908年アメリカのコネチカット州ハートフォード生まれ。
建築家、ライター、デザイナー、教育者として活躍。ハーマンミラーデザインディレクターを25年務め、自ら名作を生み出しながらも、当時無名だったイームズ夫妻の才能を見出し同社デザイナーとして起用。イサム・ノグチ、アレキサンダー・ジラードらをハーマンミラー社に招くなど、一躍世界的な家具メーカーへと成長させた人物。デザインだけに留まらず、20世紀後半アメリカデザインの歴史を作り出してきた立役者です。