1960年、チャールズ・イームズは米国・タイムライフ社のためにイームズエグゼクティブチェアを設計。そしてレイ・イームズは、夫のチャールズが設計したチェアに合わせた補完的な製品のデザインを依頼されました。
彫刻家としての教育を受けたレイは、依頼に応じてこのウォールナットスツールを製作。彼女自身もこのスツールを大変気に入り、カリフォルニア州ロサンゼルスのパシフィック・パリセーズにあるイームズ・ハウスのあちこちに置きました。
ある美術館の学芸員がこのスツールを二つ、自分の息子と娘のために注文しました。「卒業祝いですか」と尋ねられて、彼はこう答えました。
「いいえ、子どもたちはまだ5歳と3歳です。ですが、一生持ち続けることができる、本当に素晴らしいものと共に成長する経験を与えてやりたいと思ったのです。」
ウォールナット無垢のブロックを接着し、回転させながら削り出していく。チェスのコマの様なスツール。
天然木のため木目は不揃いで稀に節もあり、湿度の影響で接着面が剥がれることもある。衣服との摩擦で光沢が出たりジーパンの色がほんのり移りキズも増え続ける。
やがてウォールナット特有の黄変に気がつき、やっと自分のモノになる。
どう使うかではなく、自由に使って共に成長するイームズプロダクトです。
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