イームズチェア ヴィンテージと現行モデル徹底比較
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1950年代から製造されているイームズ シェルチェア。
1950年代〜90年代までに製造された「ヴィンテージ」
ここではシェルチェアの歴史に触れつつ、 ※レプリカに関しては 【イームズチェア オリジナルとレプリカイームズ徹底比較】を参照ください。
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| サイドシェル | アームシェル |
次に各パーツの名称です。
「シェル」と「ベース」の2つの部分に大きく分けられますが、さらにベースの接地面に「グライズ」、シェルとベースを接続するための「ショックマウント」というパーツが存在します。
写真はヴィンテージを使用していますが、現行モデルになるとショックマウントはシェルと一体成形になります。

シェルチェアには用途に合わせて数種類のベースが開発されました。
現在まで作られているタイプもありますが、中には現行モデルでは廃盤となってしまった物もあります。ちなみにヴィンテージのレッグは経年変化により損傷が激しいものが多いため、現在では日本国内でオリジナルをもとに製作されたレプリカのベースを付けて販売する方法が主流となっています。
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【エッフェルベース】 DSR、DARのベース。 エッフェル塔のような見た目で、現在では1番オーソドックスなベースです。 |
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【ドゥエルレッグベース】 DSW、DAWのベース。 木製の脚部が特徴です。木の耐久性がプラスされる事でエッフェルベースよりもシンプルな足回りです。その外見から木製家具との相性が良いです。 |
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【Hベース】 DAX、DAXのベース。 数種類あるベースの中で、1番シンプルな形状。元々はX型をしていましたが、強度改善のためH型に変更になりました。DSX、DAXの「X」はその名残です。 |
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【スタッキングベース】 DSSのベース。 公共施設などで使われる、重ねて収納(スタッキング)ができるベース。横にフックがあるので連結もできます。 フォルム上アームシェルには使えないベースです。 |
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【キャッツクレイドルベース】 「あやとり」という意味のベース。低めの座面とワイヤーを組んで設計されているため、LTRTやETRTとの相性が良いです。写真はサイドシェルですがアームシェルに付けられることが多いです。 |
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【キャスターベース】 PSCC、PACCのベース。 約12cmの高さ調整が可能で、回転もスムーズ。座面高をかなり低めに設定できたため女性にもおすすめでしたが、残念ながら現行モデルでは2009年12月に廃盤となりました。 |
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【ロッカーベース】 ロッキングチェア用のベースです。ほとんどはアームシェルチェアに使われますが、もちろんサイドシェルに付けることもできます。現行モデルではアームシェルのみの設定となります。 |
価格面では現行モデルのほうがリーズナブルです。ヴィンテージはシェルだけで現行品と同じ位の値段の場合もあり、状態、シェルの色、ファブリックの有無、さらにベースのタイプによって価格は変動します。
長い期間製造されていたシェルチェアには年代別の特徴があり、それぞれの特徴から大きく分けて1st、2nd、3rdと分けられます。
■1st 1953〜1955
シェルの製造をゼニスプラスチック社、販売をハーマンミラー社が担当。
座面裏にゼニスプラスチック社のステッカーが貼られています。
当時高価だったプラスチックの使用をおさえるため、他年代と比べ最もグラスファイバーが多く使われており、シェルがやや薄くなっています。
■2nd 1955〜70年代頃
製造・販売をハーマンミラーが担当。
シェル裏側にはハーマンミラー社のロゴと大文字の社名のエンボス(刻印)が入っています。
ベースを固定するマウントポジションが2種類(ナローマウントポジション、ワイドマウントポジション)あり、計8カ所のマウント接着位置を持ちます。シェルの補強、張り地用パイピングを留めやすくするためにエッジが1stよりも深くなっています。
※今回の比較にあたり、撮影はこの2ndモデルを使用しました。
■3rd 1970年代〜90年代頃
ロゴのエンボスが無くなり、大文字だった社名が楕円の枠の中に小文字で表記されるようになります。マウントポジションはナローマウントポジションに統一され、グラスファイバーの量は他年代に比べ大幅に削られています。
当初シェルチェアはFRP素材で作られていましたが、この素材はリサイクルができないなど、環境問題への配慮により製造を一旦中止せざるを得ない状況になりました。
しかし、その後ポリプロピレンという、現在のシェルチェアに使われているリサイクルが可能な素材を使い、ドイツのヴィトラ社がシェルの製造を開始。そして2010年末より製造元がヴィトラ社からハーマンミラー社に変更となりました。
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FRP製のヴィンテージシェルには表面にツヤがありグラスファイバーが見えます。
それに対しポリプロピレン製の現行モデルは表面はつや消しのマットな仕上げとなっています。現行モデルのほうが柔軟性があり、軽く叩いたときに現行は「コンコン」と鈍い音、ヴィンテージはグラスファイバーの固さを感じる「カンカン」と高めの音がしました。
正面から。微妙ですが、幅はややヴィンテージが広いです。 座面の角度ですが、見た目には現行モデルが下向き、ヴィンテージが上向きといったように感じられます。
真横から。やはり座面に大きな差が出ます。
ヴィンテージに比べ現行モデルは座面前方の隆起から、座面奥の一番低い所への落差が小さくなりました。
このため太ももに当たる部分がヴィンテージに比べて低くなり、日本人の体型にもカバーできるようになりました。これはヴィンテージが当時アメリカ国内での販売を専門にアメリカ人の体型に合うサイズで製造されていたのに対し、現行品はアメリカ国外にも販売の目を向けられるようになったためです。
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今回撮影に使用したヴィンテージシェルは2ndモデルのため、エッジの反りが現行のものに比べて深く大きいです。
ヴィンテージは素材の薄さをカバーし、強度を上げるためにエッジを深くしていましたが、現行モデルは素材の改善と厚みが増し、全体の強度が上がったためエッジの加工が最小限で済むようになりました。
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ヴィンテージシェルにはショックマウントが接着されています(今回撮影に使用したヴィンテージは2ndモデルのためエンボスは大文字の社名とロゴ、8カ所のマウント接着位置が確認できます)。
対して現行モデルはマウントが一体型となり、その部分にナットが埋め込まれています。ヴィトラ社からハーマンミラー社への製造元変更によって裏側のデザインにも変更があり、枠の中にハーマンミラー社のロゴ、イームズオフィスのロゴ、イームズのサインが横並びに配置されています。
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以上がヴィンテージと現行モデルの違いです。 例えば「毎日ガンガン使いたい!」、「一度には買えないけど、どんどん同じ色を増やしたい!」そんな人には現行モデルがオススメ。ヴィンテージはやはり製造されてから年数が経っていますので、耐久面では現行モデルには劣ります。また同じ色・同じ状態の物を探すことは難しいため、数を揃える面でも現行モデルにメリットがあります。
ですが、かと言ってヴィンテージが劣っているわけではありません。 素材や形を変え、時代と共に改良、いわば進化を続けてきたモダン(近代)デザインの象徴とも言えるシェルチェア。ヴィンテージを「古き良きもの」とするなら現行モデルは「次の時代に向けた今のもの」と言えるかも知れません。 古いから格好いいヴィンテージと、
どちらもそれぞれ良い所があります。 |
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